法人の方の「不動産」と「納税」について
法人が不動産を所有していると、納税のタイミングは多岐にわたります。
また、不動産の「売却時」及び「購入時」にも必ず「税金」が絡んできますので、しっかりとした計画と「最善の選択」を考える必要があります。
私たちは「会社にとって」「社会にとって」、最善の選択をすためのお手伝いを致します。
1.不動産を所有している法人が考えるべき4つのポイント
- 法人税(決算)のポイント
- 不動産賃貸業の場合ですと、所有している物件のうち、どの物件をいつ、いくらで売却するのか?どの物件の修繕がいつぐらいにいくらかかるのか?等の予測をしておきます。
ある程度の予測をしておかなければ、節税、資金繰り、事業承継等の対策をしようにも対策のしようがありません。
仮に、5年後に所有しているマンションを売却することで、大きな売却益とキャッシュが獲得できることが予測できていれば、それに対する策を練ることができます。
売却した期の税金を抑えたいのであれば、今から役員報酬を上げておくでもいいですし、セーフティ共済や生命保険を活用することで損金を作っておいてもいいと思います。
売却損がでる物件があれば、その物件の売却をすることも手段の一つです。
また、事業承継を考えるのであれば、売却することで、自社株の評価額を上昇してしまう前に、後継者に株式を移しておきます。
このように、会社の将来を予測しておくことで、対策をすることができます。 - 消費税のポイント
- アパートの賃貸、土地の貸し付けをしている場合ですと、消費税のかからない取引であるため、ほとんどの法人が消費税を納める必要がありません。
しかし、事務所や倉庫、駐車場の貸し付けの場合は消費税のかかる取引であるため、年間で1,000万円以上の収入がありますと、消費税を納める義務があります。
消費税はなかなか節税することが難しい税ではありますが、いくつか節税の方法があります。
まず、消費税の計算方法を確認し、原則課税を選択している場合は、簡易課税を選択した場合の納税額を計算してみます。
一般的には、原則課税よりも簡易課税の方が納税額が少なくなる場合が多いです。
その他には、年間の消費税のかかる取引を1,000万円未満に抑えることができないか検討してみます。
事務所や倉庫等を複数所有している場合には、代表者や親族などの個人に売却や贈与することで、消費税のかかる収入を減らすことが可能です。 - 借入金のポイント
- 不動産賃貸業をしている法人の多くは、金融機関からの借り入れをしています。
借入をしていますと、毎月、元本の返済と利息を支払うことから物件の利回りにも、キャッシュフローにも影響してきます。
この借入金を見直すことで、利回りとキャッシュフローを改善できます。
例えば、今よりも利息の低い金融機関で借り換えをすることができれば、利回りとキャッシュフローを改善できます。
また、利息が変わらなくても、返済期間を延ばすことができれば、月々の返済額が減少し、キャッシュフローが良くすることはできます。
また、変動金利を選択している場合には、固定金利を選択することで、将来の金利上昇を回避することが可能です。 - 入居率を上げる
- 不動産賃貸業をする上で、空室は大きなリスクです。
空室が10室ある中の1室で1ヶ月程度であれば、問題ありませんが、半分が空室であるとすると、赤字である可能性が非常に高く、また借入の返済ができなくなる恐れも出てきます。借入が返済できなくなると、物件を売却しなければならない事態にもなりかねません。
日本では、空き家、空室が増加傾向にあることから、入居率を上げていくことを考えていかなければなりません。
近年、賃貸マンションでは、インターネット無料、オートロック、宅配ボックス、ペット可等の物件が人気があります。もちろん、これらのニーズに応えるには、費用がかかりますので、かかる費用に対して、どれくらい賃料に反映できるかを計算してから、実行していくことが重要です。
2.不動産を購入する法人が考えるべき4つのポイント
- 収支計算
- 不動産を購入して収益が上がるかどうかは利回りに左右されますので、購入時に利回りは重要となります。
しかし、利回りだけでなく実際にいくらの家賃が入り、いくらの経費がかかり、返済したらどれだけのお金が残るかを計算しておくことが重要です。できれば、修繕の時期やそれにかかる金額や売却についても購入時から考えておくことが望ましいです。 - 資産価値の高い物件を選ぶ
- 不動産投資をする上で、欠かせないのが金融機関による融資です。
1棟目を購入する際は、簡単に融資が受けられたのに、2棟目の融資が受けられなくなるのは、よくある話しです。
融資が受けられない理由の多くは、金融機関が求める担保価値が足りないからです。
投資物件を2棟、3棟と増やしていくためには、担保価値の高いものを購入することが重要となります。 - 空室になりにくい物件を選ぶ
- 購入時に満室であり、良い利回りの物件でも、空室が増えてしまっては元も子もありません。
できるだけ、空室になりにくい物件を選ぶことが重要です。また、空室になってもすぐに入居が決まりそうな物件を選ばなければなりません。
具体的には、駅に近くて利便性が良いこと、近隣の似た物件の空室が少ないこと、物件の周りにスーパー、病院、コンビニがあるなど暮らしやすいこと等が挙げられます。 - 消費税還付
- 購入時に消費税の還付が受けられるか検討する。
還付を受ける前提として、課税事業者になる必要があります。
3.不動産を売却する法人が考えるべき3つのポイント
- 本当に売却するべきか再確認
- アパート等の賃貸物件を売却する前に今一度なぜ売却するのかを確認することが重要です。
例えば、売却する理由が利回りの低下である場合、収益性を改善できないか現状の分析をし、改善方法を考えてみましょう。また、売却すると決めた場合でも、築年数の古いアパート等の場合は、更地にして売却したほうが、高値で売却できることもあるため、売り方についても考えてみることが大切です。 - 税金の計算
- 売却をする前に、いくらで売却するとその事業年度の確定申告でいくらの税金を納める必要があるかを事前に計算しておきます。
特に大きな利益が出た場合、多額の税金を納めなければならないこともありますので、節税対策についても考えおきます。
また、消費税の課税事業者が建物を売却しますと、消費税を納める必要があります。 しかし、不動産賃貸業を行う法人は、課税事業者と免税事業者を繰り返していることもあります。
免税事業者であるときに、売却しますと、消費税を納める必要がありませんので、売却の時期についても気を付ける必要があります。 - 手残りの計算
- 税金の計算をするのと同時に、売却した後のお金の手残りの計算をしておくことが重要です。
想定以上の売却価格で売れた場合でも、税金、仲介手数料、借入金の返済をしたら、 手残りがほとんどなかったということにならないためにも、必ず計算しておきましょう。
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